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ポケモンGOの危険性を考えてみる

昨年、リリースされたポケモンGOの登場で、車や自転車の運転中や歩きながらスマートフォンを操作している人をよく見かけるようになった。ポケモンGOをしながら車の運転をし、事故を起こしたというニュースもよくあった。ポケモンが見つかればスマートフォンが振動して知らせてくれるのについつい画面を見てしまうのだ。世界にはスマートフォンを見ながら歩く「ながらスマホ」、なにかしら作業をしながら歩く「ながら歩き」をする人がたくさんいる。この行動がどれだけ危険なのかを認知心理学から考えてみる。


「認知」とは『知覚,学習,記憶,想像,思考,判断,推理作用など,生体が知識を得る働きに含まれるあらゆる過程ないし機能の総称。感情および意志の働きと対比された認識作用一般』[1]とされている。ここで重要になってくるのが認識の能力の1つ「注意」である。人間の注意の範囲は、『情報処理容量には限界があるため、注意の範囲が広くなればそこでの情報分析が粗く、注意の範囲が狭くなれば詳細な情報分析がなされる』[2]と考えられる。したがって、スマートフォンに注意がいくと、ほかから入る情報量が少なくなり、危険であることが分かる。


ポケモンGOなど何かに夢中で人にぶつかる、ぶつかりそうになったという人も増えている。
『特に最近、ガラケーよりスマホを持っている人と良くぶつかる気がします。しかも歩きスマホの人は、すごい勢いでぶつかってくるので、怖いんです』(49才・主婦)[3] 女性セブンが40代以上の女性100人に行ったアンケートによると、歩きスマホの歩行者にぶつかった・ぶつかりそうになった経験を持つ人は41%とかなり多いようだ。

 

なぜ、ガラケーよりスマートフォンを見ながら歩いている人のほうがぶつかりやすいのか?「ながら歩き」をしている人の注意力はガラケー、スマートフォンに消費されている。このように、注意には『1つの作業に消費するとほかの作業に消費する分がなくなってしまう』[4]という、側面がある。つまり、人間の注意力はバケツの中の水のように量(認知できる情報量)が限られており、使いすぎるとほかに使う、使える分がなくなってしまう。このことから、画面が大きく文字数の多いスマートフォンはガラケーより情報量が多く、人とぶつかりやすく危険であると考えられる。

 


私の住む町で起きたポケモンGOでの死亡事故について、その後ことを調べていくと、トラックの運転手は事故当時、横断歩道を渡ろうとしている児童に40メートルほど前から気づいていたとのことだ。気づいていたのにもかかわらずゲームをプレイし続けて事故を起こしたことに驚いた。二度とこんなことが起こらないでほしいと思う。
悪いニュースばかりでもない。自閉症の少年がポケモンGOを通して他者と関わり始めたというニュースもある。ポケモン探し、バトル、交換で他者と関わりを持つことができるという素晴らしいゲームだと思う。
しかし、上で述べたように、「ながらスマホ」は大変危険であるので遊び方よく考える必要がある。

 

参考文献
[1]ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 TBS・Britannica
[2]心理学事典 有斐閣
[3]女性セブン 2013.7.4号
[4]認知心理学 有斐閣 p.96

 


 

 

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